高加水麺と低加水麺

選ばれる理由

ラーメンの麺づくりについて店主の方とお話ししていると、「高加水と低加水って、結局何が違うんですか」と聞かれることがあります。

なんとなく言葉は知っているけれど、説明しろと言われると難しい。
そんな店主の方、実は少なくありません。

洛東フーズでは、オーダーメイド麺の出発点として、この「高加水麺」と「低加水麺」の2つのベースから麺づくりを考えていきます。

スープの個性を最大限に引き出す麺を一緒につくるうえで、この2つの違いを店主の皆さまに知っていただくことには意味があると考えています。

今回は、麺づくりの基礎中の基礎でありながら、奥が深い「加水率」の話を、できるだけ実感しやすい形でお伝えしていきます。

加水率とは

加水率というのは、とてもシンプルに言えば「小麦粉に対してどれくらいの水を加えるか」という割合のことです。

業界では一般的に、加水率35%以上の麺を「高加水麺」、30%前後以下の麺を「低加水麺」と呼ぶことが多いです

代表:吉川

厳密な定義は製麺所によって少し幅があるかと思います

たった数パーセントの差ですが、この違いが、麺の食感、スープとの絡み方、のどごし、そして茹で時間まで、すべてに影響します。

「水を多めに入れるか、少なめに入れるか」だけのことなのに、出来上がる麺はまったく別物になる…

製麺の面白さでもあり、難しさでもあると日々感じています。

高加水麺の特徴

高加水麺は、その名の通り水分量が多い麺です。

食感としては、なめらかで、つるみがあり、やわらかい印象を持つ方が多いと思います。

洛東フーズ

水分が多いぶん生地に粘りが出やすく、しなやかで弾力のある仕上がりになります。茹で伸びしにくいという特徴もあるため、長時間煮込むスタイルや、提供から食べ終わりまで時間がかかる場面とも相性が良いと言えます。

向いているのは、たとえばこんなスープです。

・鶏白湯
・味噌ラーメン

スープの油分やコクをしっかり受け止めつつ、麺自体のなめらかさで「すするときの心地よさ」を演出してくれる。そんな麺なんだと考えていただくと、イメージしやすいかもしれません。

つけ麺の麺としても高加水麺はよく使われますが、これは茹でてから締めても、つるみとコシが残りやすいからです。

低加水麺の特徴

一方の低加水麺は、水分量が少なく、生地の密度が高い麺になります。

食感としては、歯切れが良く、力強さがあり、密度感のある印象です。

洛東フーズ

噛んだときに「カチッ」と歯が入る感覚、小麦の風味がダイレクトに口の中に広がる感じ。あの食感が好きで、「やっぱり麺はこれじゃないと」と仰る店主も多いです。

向いているのは、こんなスープです。

・濃厚な豚骨スープ
・とんこつ醤油

・煮干しや魚介系の淡麗スープ
・鶏の清湯(チンタン)スープ

・醤油の中華そば
・あっさり系の支那そば

スープの繊細な香りや出汁の旨みを邪魔せず、麺自体の小麦感とスープの一体感を楽しんでもらえる。低加水麺の魅力は、そういう「素材の引き立て役」に徹せることだと、私は考えています。

ただ、低加水麺は繊細です。

水分量がほんの数cc違うだけで、仕上がりが大きく変わってしまいます。

代表:吉川

毎朝の気温や湿度をチェックして、水分量を細かく調整しながら打っています。

マニュアル通りにいかないのが、低加水麺の難しさであり、面白さです。

毎日の製麺所の様子はこちらのInstagramからご覧いただけます

どちらを選ぶか?ではない

ここまで読んでいただくと、「うちのスープなら低加水か」「いや、高加水が合いそうだ」と、なんとなく当たりをつけたくなるかもしれません。

ただ、私が日々の麺づくりを通してお伝えしているのは、「高加水か低加水かを最初に決めてしまわないでほしい」ということです。

なぜなら、同じ「煮干しスープ」でも、店主が目指す方向性によって、合う麺はまったく変わるからです。

粉

煮干しの香りを前面に出したいのか。 特有の苦味を活かした硬派な一杯にしたいのか。 万人に好まれる優しい煮干しを目指すのか。

その方向性によって、選びたいベースも、加える小麦の種類も、形状も、すべてが変わってきます。

「うちは低加水で」と最初に決めてしまうと、本当はもっと良い選択肢があったかもしれない可能性を、自分で閉ざしてしまうこともあるのです。

2つのベースは「出発点」

洛東フーズ|手作り

洛東フーズが高加水・低加水の2つをベースとしているのは、これがゴールだからではありません。

ここを「出発点」として、そこから小麦の配合、切り刃の選定、水分の微調整を掛け合わせていくことで、店ごとの一杯にぴったり合う麺を仕上げていく。

その掛け算の発想が、私たちのオーダーメイド麺の考え方です。

たとえば、同じ低加水麺をベースにしていても、

国産小麦をブレンドするのか、外国産を選ぶのか
加水率を低加水の中でも「やや上げる」のか「ぎりぎりまで下げる」のか
切り刃の形状をどう選ぶのか

これらの選択次第で、出来上がる麺はまったく違う表情を見せます。

ですから、店主の皆様に最初にお願いしているのは、「うちは高加水 / 低加水で」と決めてくることではなく、「どんな一杯を目指したいか」を聞かせていただくことです。

そこから一緒に考えていく方が、結果的にずっと良い麺にたどり着けることを、私たちはこれまでの仕事で何度も実感してきました。

まずはお話を聞かせてください

「高加水と低加水の違いは、なんとなくわかった。でも、自分の店ではどちらが合うのか、まだピンとこない」

そう感じた方こそ、一度ご相談いただきたいと思っています。

選ばれる理由3

理想の麺がうまく言葉になっていなくても大丈夫です。スープの方向性、目指している一杯のイメージ、今の麺に感じている小さな違和感。

そういったところからお話を伺いながら、一緒に整理していきます。

最初の試作については、基本的に無償で対応していますので、ご負担少なく始めらるかと思います。

まずは気軽に問い合わせていただければと思います。